さあ今回は、「人生を変えた大きな出逢い その１」の話です。
メイクアップを始めて３年目。

私が21歳の時、あるビッグニュースが入りました。

美容ディーラー様のイベントでロサンゼルスから元ビダルサスーンLAのアーティスティックディレクターを勤められていた喜田修二先生が日本で、しかも福岡でヘアショーがで開催されることになったのです。

「とにかく凄い先生が海外から来るよー」って友人美容師さんから聞きました。

「へー、世界で認められた人か. . . . 」

私は美容師ではないので正直、その偉大な先生の意味や価値観などはあまり理解をしていませんでしたが、偶然にもそのショーのメイク担当してみないって？ディーラー様から凄い話が来たのです😅

ラッキーなのでしょうが、緊張で夜も眠れない. . .

いよいよ本番当日！ジタバタしてもしかたない. . . .今できることをやるしかない！！
朝早く現場に入りました。

メイクアップブースの準備、会場の広さ、スポットライトの色、モデルの人数、衣装、参加される美容師さんの年齢層、などなど. . . 当時はsnsのような便利な物は無いので、喜田先生のヘアカットのデザインなどは資料もなく😭

とりあえず、喜田先生に会ってメイクデザインを聞くしかない。
さあ喜田先生登場。

うわー迫力の鋭い眼光！固く結ばれた唇！隙のない動き！

啓 「今日メイクを担当するBe-STAFFの山口　啓です。」

喜田 「あっそう？よろしくね. . .」

啓 「今日はどんなメイクをすればいいでしょうか？」

喜田 「まだモデル見てないんだからわかんないよ. . . 」

啓 「そりゃそうだ😩ミスった. . . 」

喜田 「メイクの人なんだ？ ゲイなの？」

啓 「いえケイです」（と言いたいところだがそんなネタ通用しないので言ってません😂」

はいこれだけの会話でした。

コミュニケーション能力のない若造だった私です。
いよいよモデルも集まり、リハーサル、衣装合わせ、ヘアデザインはステージ本番でしか分からない。

何も喜田先生は教えてくれない。

つまりモデルの顔と衣装とステージでのウォーキングだけが私のデザインの材料となりました。

モデル仕込みスタート。
モデルは予算の関係もあるし、現実的な日本人の切り方が知りたい美容師のお客さまにとっては日本人のモデル。

しかも喜田先生が選んだモデルの人数は１２人。
うぇ？ 多い！！

仕込み時間２時間。（どうやって２時間で１２人を仕上げようか？？？）
連れて行ってた２名のアシスタントにベースメイクを振り分けて、とりあえず全員分のベースメイクを作ってもらいながら、私はフルメイクしてけばなんとか回る！

メイクが仕上がったモデルを順番に喜田先生は見ながらイメージを固めてらっしゃいました。
本番スタート。 （それまでは何も喜田先生からは言われませんでした）

本番中、喜田先生のカット、トーク、振る舞い、無駄のない動きでした。
圧巻でした！

そしてステージ本番終了後、喜田先生に挨拶に行きました！

「喜田先生今日はありがとうございました！」

喜田先生はこう言ってくれました。
「凄いメイク早いじゃん！」

「本気でメイクをやるんだったら、ロサンゼルスにおいでよ！」

「上手だし、凄いやれるよ！」


いやー嬉しかった！

本気で嬉しかった。

すぐ行こうって思いました😍

もうこんなチャンスは2度と来ない！！

当時、世間はスーパーモデルブーム。

カラーレスで陰影だけでメイクアップをするモデルのキャラクターを表現するようなメイクが主流でした。

学びたい！もっと上手くなりたい！世界でBe-STAFFのメイクが通用するのか試してみたい！

ワクワクが止まりませんでした。
しかし当時はアメリカは戦争中。そうです、湾岸戦争中でした。旅客機がたまに撃ち落とされるような時期。
しかし怖くもなかった。

師匠の山口博美も大賛成。父はなんとかお金を工面してくれて. . . （涙
さあ人生初の大きな挑戦が始まる時が来たのです。


いよいよVoL.5ではLAで私が体験した凄い刺激を、そして未だに生き続ける私のBASICの根源をお話しします。
現在でも仲良くお付き合いくださる喜田修二先生。出会って３２年。

生涯現役の修二先生との出逢い！ まずはその出逢いに関わってくださった皆様に感謝❤️